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ジェイムズ・ブラウン死去
ジェイムズ・ブラウン氏が亡くなりました。享年73。ショックで言葉がありません。とりあえず04年3月に書いた、僕の日記を貼り付けます。

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昨日、ジェイムズ・ブラウンの自伝を読了しました。去年の秋に文庫になったのを最近見つけたんで、即購入した次第。ハードカバーで出たときは、迷った挙げ句にパスしてしまったから。

面白かったんですけどね。ただホントは、どうやってあのJBファンクが完成していったのか、みたいなのを知りたかったのに、肝心のその時代は「公民権運動」「ニクソン」「ベトナム戦争」とかの話がメインだったのが残念。

印象に残ったことは色々あるんですけど、「ブルースは好きじゃない」と言い切り、初期のブルースっぽい曲についても、いちいち「あれはブルース・チューンだが、ブルースとはちょっと違う」とか付け加えるのが面白かった。僕にはJBの「カンサスシティ」なんかはブルースに聴こえますが……恐らくJBにとってブルースとは、日本人にとっての演歌みたいなイメージなんでしょうね、ネガティヴな意味で。子供の頃のアイドルはルイ・ジョーダンだった、というのは納得。

ところで僕には、JBについて、忘れられない思い出があります。

僕はJBの、92年の来日公演を観ています。代々木体育館。二回行きました。二回目は多分前から10列目くらいだったと思う。「33年生まれ説」を採れば、当時59歳。凄かったですよ。股は割るし、動きが凄い小刻みで。跳んで、はねて、シャウトしまくり。去年Nステに出演したのを観ましたが、相当衰えてて寂しかった。

さて、ハイライトは公演終了後でした。確か二回くらいアンコールに応えた後、客席の照明が全部ついて明るくなり、「本日の公演は、全て終了いたしました、お帰りの際は……」のアナウンスか流れ、場内は完全に「コンサート終了モード」に入ります。

が、一部のしつこいファンがまだアンコールを要求してるんですよ。ほとんどの客はどんどん帰っていくし、僕も「もう出てくる訳ないじゃん、アホか」と思いつつ出口に向かって歩き始めたその時、突然のどよめき。

振り返ると、ジェイムズ・ブラウンとバックバンドが、ステージでいきなり演奏し始めたんです。帰ろうとしていた客が一斉にステージに押し寄せます。僕もそれに加わります。警備員もどうしていいのか分からず、場内は大混乱の大騒ぎです。

それは、忘れられない光景でした。

だって、会場全体を照らす蛍光灯はつきっぱなし、スポットライトとかの照明効果も一切無しの「素」のステージで、あの「世界のJB」が熱唱してるんですよ?

もう誰の目にも「予定外のアンコール」なのは明らかです。しかも、それだけのサービスを敢行しながら、「サンキュー」とか語りかけてファンとコミュニケートしようとする訳でもなく、ただひたすらファンクをプレイしてみせるだけのジェイムズ・ブラウン。それが逆にメチャクチャ格好よかった。凄かった。何の曲を演奏したのかは覚えていません。頭の中が真っ白だったからかな。とにかくド迫力だった。

JBで「Doing It To Death」(死ぬまでやり続ける)ってタイトルの曲があるんですが、この言葉はダテじゃないですよ。あの時の光景を思い出すたびに、そう思います。ホントに。

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以上貼り付け終わり。

心よりご冥福をお祈りします。
by tablerecords | 2006-12-25 18:21 | Black Music
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