「もしあのミュージシャンが生きていたら」。今回は最近プチ・ブームのオーティス・レディング篇です。
オーティスは1967年、26才の若さで飛行機事故で亡くなっています。ミュージシャンとしてはこれから成熟に向かう年齢。あの事故がなかったら一体どうなっていたか。 想像する上でのポイントは、「サザンソウル内にとどまらず、ロック・フィールドのファン層まで獲得していた」「ビートルズの『サージェント・ペパー』を擦り切れるまで聴き込んでいたほど、新しいサウンドへの好奇心が旺盛だった」という所にあると思います。 ということで60年代まではともかく、70年代には、もう間違いなく同世代であるマーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』に、とてつもない衝撃を受けたはずです。もともと曲が作れる人ですから、一種の「黒人版シンガー・ソングライター運動」であったニューソウルには飛びついたでしょう。「これぞ南部のニューソウル!」とばかりに、意欲的なコンセプト・アルバムを2、3枚は制作しただろう、というのが僕の持論です(この時期のアルバムについては、濃いサザンソウル・ファンと普通のファンでは、評価が真っ二つに割れる。もちろん濃い方は徹底批判)。 70年代も後半になると、吹き荒れるディスコ旋風とスタックス倒産のダブルショックで、さすがのオーティスも低迷は避けられません。採るべき道があったとすれば、バリー・ホワイトのような、「渋い歌声で、ゆったりとした甘いメロディのディスコ・ソング」路線。これは結構オーティスの資質に合っていると思うんですが、どうでしょう。 そして80年代。個人的にはブラコン・サウンドとオーティスの相性は悪くなかっただろうと思うんですが、映画『ブルース・ブラザーズ』のヒットで再評価されたオーティスの人生は一変、ブルース・ブラザーズ・バンドの座長として60年代ヒットを歌い続ける。そして現在、64才に至るも数年に一度の世界ツアー……まあ、そんな感じなんじゃないかなあ。 で、振り返ってみると、「70年代のニューソウル期をどう見るか」でオーティスの評価は分かれてくるでしょうが、やはり基本的には60年代の人だった、と僕は思いますね。
by tablerecords
| 2005-05-06 19:06
| Black Music
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